寺尾サトミ 展「光のイデア」2014年7月18日(金) - 2014年7月30日(水)

 

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gallery near【開催中の展示】gallery near selection 2014年9月22日(月) - 9月30日(火)gallery near 【 取り扱い作品 】


Press release

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寺尾サトミ 展「光のイデア」

期間:2014年7月18日(金) - 2014年7月30日(水) *7月24日(木)は休廊
開廊時間:12:00-22:00(最終日は17時まで)
会場:gallery near


2014年7月18日(金)から7月30日(水)までの12日間、gallery nearにて、寺尾サトミ 展「光のイデア」を開催いたします。
主に紙やキャンバスに鉛筆、アクリルを用いて表現する寺尾は、東洋美術学校在籍時から様々なグループ展、公募展に出展し、精力的に活動してまいりました。卒業後も東京を拠点に活動し、毎年のペースで個展を開催、グループ展にも出展するなど積極的に発表する機会を得、また、ライブハウスやクラブで行われるイベントでの作品展示やライブペイントなど、時代性を帯びた場面において自己の表現を存分に発揮してまいりました。幾何学的な紋様を軸に幻想的な画面を表出するデザイン性に長けた表現は、音楽やファッションに敏感な同世代を中心に多くのファンを獲得し、その確かな描写力とデザインセンスを融合した寺尾の表現は美術界のみならず、多方面での活躍も期待され、今後の活動に大いに注目が集まります。

寺尾は、ソクラテスやプラトンといった、紀元前ギリシャの哲学者の思想をベースに、独自の解釈を自身の表現に昇華します。寺尾が意図するものを理解しようとすればするほど難解でありながら、画面と対峙するだけで感じることが出来るその繊細な描写・色彩表現はオリジナリティに富んでおり、不思議な世界観に魅了されます。「雨の匂い」(2013)では、キャンバスにアクリルを用いて描かれ、雨に乱反射する光の屈折が様々な色に変化しながら画面いっぱいに拡散しているように見え、虹を想起させる直線的な描写、色彩豊かな配色に加え随所に見える透過表現が、雨や光の瑞々しさを強調します。三角や四角、円や直線といった図形を組み合わせ配置する特徴的な画面は、哲学者プラトンが提唱する「イデア論」と深く関係しており、現在のシリーズに移行していきます。

本展は「光のイデア」と題され、新作を中心に大小様々な作品群で構成されます。鉛筆を用いて写実的に描かれる海や森など様々な原始的な自然風景に、近未来を思わせる幾何学的な図形や直線を組み合わせた作品「光のイデア」は、近年の寺尾にとって重要なテーマであり、「公園」のシリーズを経て新たに展開されるシリーズであります。本シリーズは前述した「イデア論」を主題としており、「イデア」とは、【絶対的な永遠。私達が生きているこの感覚的な世界にあるものは全て束の間のものにすぎない。この世界の背後には永遠不変のイデアという理想的な模型があり、イデアこそが真の実在であり、この世界は仮象の世界にすぎない。そして不完全な人間の感覚ではイデアを捉えることが出来ない。】とあります。寺尾はこの「イデア」(真の実在世界)における日の光を想像し、描写することを主軸に置き、私達が存在している「仮象の世界」をモノクロで写実的に描き、対照的に日の光のイデアを幾何学的に色彩豊かに表出しております。「イデア」を簡潔に説明する際の事例として、「線」を拡大していくと幅のある「面」になり、どんなに細い「線」を書いたとしても拡大すれば必ず「面」です。視覚的に「線」を見るということは「幅」があるから見えるということになり、その理論からすると「線」は存在しないことになります。同様に「三角形」などの図形も見れない。定義的に完璧な三角形は今までに見たことがないのです。しかし、我々は「完璧な三角形」というものを認識し、思い浮かべることができます。では、その三角形はどこから生まれたのか?それは、三角形という「観念的」なものが別次元の世界に存在し、我々が仮象の世界(現実世界)で三角形を認識する際に、その別次元の世界の完璧な三角形を同時に認識していることで、存在しない三角形というものを理解しているとしております。三角形だけに限らず、ありとあらゆるものの観念そのものをプラトンは「イデア」と呼び、そしてその観念が存在する世界のことを「イデア界」と唱えたのがイデア論であります。

古代ギリシャの人々があらゆる物事に対して想像をめぐらし、様々な疑問に議論を交わし発展させてきた哲学を礎に、我々は現代において生活しております。科学や技術の発達、時代背景による「想像力の欠如」がもたらすあらゆる場面での不和は、現代社会において様々な弊害をもたらし、問題視されている側面もある中で、想像力豊かな寺尾が表出する画面からは、普遍的でどの時代でも変わることのない感覚や本質が描かれ、想像する事の偉大さ、大切さを提示しているかのようです。寺尾の画面と対峙した時、鑑賞者はそれぞれにどんな想像を掻き立てられるでしょうか。過去に思いを馳せるだけでなく、現在の先にある豊かな未来を想像する事ができれば、寺尾が描く「光のイデア」が道標となり、よりよい未来に導かれていくのではないでしょうか。


本展をぜひ、ご高覧くださいますよう、何卒よろしくお願いいたします。

gallery near 延近 謙


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雨の匂い / Rainy smell
455mm × 455mm
acrylic on canvas
2013

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光のイデア/ IDEA of brilliance
300mm x 410mm
acrylic and pencil on paper
2014

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いつもの公園 [草木萌動] / My park [somokumebaeizuru]
180mm × 140mm
acrylic on canvas
2013

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光のイデア/ IDEA of brilliance
360mm x 510mm
acrylic and pencil on paper
2014

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光のイデア/ IDEA of brilliance
1455mm × 1120mm
acrylic and pencil on paper
2014


■ ARTIST STATEMENT ■

かつて哲学者ソクラテスが懇願した言葉に置き換えられない自然の法則を模索している。時間と人間や生物の関係性、宇宙の規則性を
反科学的な立場で抽象化した風景や幾何学的な図形を用いて視覚化しているのである。
自然の法則が色濃く現れる場所を自身の夢の中の公園であると仮定して、そこで見た風景や雰囲気をモチーフに展開する「公園」シリーズ、
ソクラテスの遺志を引き継ぎ哲学者が治める理想国家を定義した哲学者プラトンを支持する人々が暮らす架空の世界を想定して展開する
「プラトンの世界」シリーズとがある。「公園」を外から眺めたものとすると「プラトンの世界」は内側から人々の生活に基づいた視点と
いうことになる。
                           ******

プラトン哲学で提唱された絶対的な永遠、イデア界。私たちが生きているこの感覚的な世界にあるものは全て束の間のものにすぎない。
この世界の背後には永遠不変のイデアという理想的な模型の世界があり、私たちが普段目にしている世界は仮象にすぎないとした。
そして不完全な人間の感覚ではイデアを捉える事が出来ないと唱えられた。あらゆる物事において永遠不変の本質があるという思考は、
2400年前のアテナイの人々の心を魅了した。いつの時代も人間はこの世の成り立ちを求め、生きる意味を探している。人間の理解
しようという衝動はさかのぼれば万人共通の基本的な欲望に行き着く。その欲望が故に宗教は人間の生活に根付き、科学は目覚ましい
発展をとげた。

変わらぬ本質がある。どんなに科学が発展しようとも私たちは自分の存在意味を問う。2400年前の人々の感覚を現在の私達は共有する
ことができる。想像すること、思いを馳せること。凝視することも出来ず、刻一刻と姿を変える日の光のイデアとはどんなものなのだろう。


■ PROFILE ■

寺尾 サトミ |TERAO Satomi

1982年 神奈川生まれ
2003年 青山学院女子短期大学 東京
2005年 東洋美術学校 東京

【 主な個展 】

2012 憂いの木 dolls/東京 
いつもの公園についての展覧会 NOS org/東京・JAVIN/千葉 
2011 SWIRL studioWUU/千葉
2010 RESULTS:フラスコの中の宇宙 ESCRIBA/東京
2009 クリスマスの音 studioWUU/千葉
2008 The tongue see Modern Times/千葉

【 主なグループ展 】

2014 East-West Artists Exchange Exhibition JARFO画廊/京都
2013 我孫子国際野外美術展 布佐市民の森/千葉
屋根裏のドールズ dolls/東京
2012 microscosmos 二人展 orbit/東京
2009 カーボンオフセットWEEK それなかったことに'09 Grandma`sGEORGES/東京
新極美術協会主催 第15回極美展 東京都美術館/東京
    新極美術協会主催 第14回極美展 つくば美術館/茨城
2005 専門学校美術展 東京都美術館/東京
二人展 galleryTOBI/東京

【 受賞歴 】

2009 新人賞 第15回極美展 新極美術協会
2005 優秀賞 卒業制作展 東洋美術学校
2004 佳作 東美展 東洋美術学校