櫻井智子 展「raise a storm of excitement」2014年1月4日(土) - 2014年1月15日(水)

 

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gallery near【開催中の展示】gallery near selection 2014年9月22日(月) - 9月30日(火)gallery near 【 取り扱い作品 】


Press release

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櫻井智子 展「raise a storm of excitement」

期間:2014年1月4日(土) - 2014年1月15日(水) *1月9日(木)は休廊
開廊時間:12:00-22:00(最終日は17時まで)
会場:gallery near

2014年1月4日(土)から1月15日(水)までの11日間、gallery nearにて、櫻井智子 展「raise a storm of excitement」を開催いたします。
主に墨を用い、空想上の生物や現存する生物、果ては微生物までを精緻に描く櫻井智子は、近年、毎年のペースで個展を開催、東京・大阪の大手百貨店でのグループ展にも多数出展し、注目を集めてまいりました。2011年には「KIAF 10th アートフェア」(coex / 韓国・ソウル) にも出展し、その卓越した技術により描かれる生物達の類い稀なる表現は、海外でも高い評価を獲得しており、今後が更に期待される作家であります。

櫻井の表現における最大の特徴は、その緻密に描かれる生物の描写に加え、金彩や朱を用い、新たに吹き込まれる生物たちのフォルム、しぐさや表情であります。足音を忍ばせ、獲物の次の動きを見逃さないようジッと見つめているような姿の「シマハイエナ」や、「シルバーバック」(ゴリラ)では、胴体部分を水墨特有のぼかしで描くことにより、山水画を組み合わせたような画面を表出し、約2m四方の大作「蝦蟇鉄拐図」では、右目を「月」、左目を「太陽」として表現することで、宇宙誕生の意味を内包させ、口中の舌には波渦を模するなど、その画面のサイズ感と共にスケールの大きいダイナミックな作品を生み出しております。櫻井の描写におけるオリジナリティは、水墨画の伝統的な技法や洗練された筆使いといった卓越した技術と、描こうとするモチーフを丹念に見る観察眼、様々な角度から生物たちを理解しようとする探求心により、他に類を見ない水墨表現として唯一の世界観を構築しております。

櫻井は活動当初、筆ではなくペンとインクを用い、「麒麟」や「龍」といった空想上の生物を表現の対象として描いておりました。ペンとインクでの表現における自らが感じる限界と、作家としての更なる高みを目指す先に見た、筆と墨での表現が、描く対象となる生物へも影響を与え、空想上の生物から、現在のモチーフとなっている現存する生物へと移行することとなります。作家として表現に対して真摯に向き合う姿勢は、モチーフと対峙する意識ともリンクし、画面上における一切の装飾を意図的に排することで、モチーフが生物として持つ気高さや美しさ、自然界が生み出す神秘性をより際立たせているようであります。ペンから筆に持ち替えることで得た表現方法の幅に加えて、生物に対する深い愛情と意識は、櫻井にとっての表現を更なる高みへと押し上げ、画面に現れる荘厳さを備えた生物たちからは、神々しさをも感じさせるのであります。

本展は「raise a storm of excitement」(興奮の渦を巻き起こす)と題され、新作を含めた2009年から2013年までの大小様々な作品で構成されます。古来より日本に存在する紋様「巴紋」は、水が渦を巻く様として解釈され、火災除けの紋様などに多く用いられてきました。本展に登場する生物たちの身体に施された「渦」は、そのうねりが持つエネルギーの強さと、たくさんの時代環境の変化と共に進化を繰り返し、生き抜いてきた生物たちの生命力そのものを象徴しているようであります。自然エネルギーと生物が持つ生命力とが見事に融合された、櫻井が描く画面が放つ神々しさは、櫻井自身が述べる「生物を創作する時、私はいつもどこかで神格化させたいと思い続けていた。」という言葉とリンクするように、古代から人類が世界各国で様々な生物を「神」や「神の使い」として崇め、奉ってきたことで証明されているのではないでしょうか。我々人類が、何かに縋らなければ時代を繋いで来られなかった歴史背景には、必ず生物が重要な役割として存在しており、櫻井が生物たちと人類が関わってきた歴史を掘り起こし、丁寧に表現した生物たちと対峙することで、我々もまた、生命が持つ大きな運命の渦(うねり)の中で生かされている事に気付かされるのであります。

本展をぜひ、ご高覧くださいますよう、何卒よろしくお願いいたします。

gallery near 延近 謙


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シルバーバック
728×1030mm
和紙・墨・朱・金彩
2012

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ミツユビナマケモノ
860×860mm
和紙・墨・朱・金彩
2012

金魚.jpg

和蘭獅子頭
567×750mm
和紙・墨・朱・金彩
2012

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トリケラトプス
728×1030mm
和紙・墨・朱・金彩
2013


■ ARTIST STATEMENT ■

raise a storm of excitement。日本古来からあるカタチ「巴紋」
水が渦を巻くさまとも解釈されるようになり、本来、中国では人が腹ばいになる姿を現す象形文字の巴という漢字が、形の類似から当てられた。水に関する模様であることから、平安末期の建物に葺かれた軒丸瓦などに火災除けとして、巴紋を施した。水の渦巻いている様、蛇がとぐろを巻いている様、雷光の走る様、勾玉を象った物、雲を表現したもの、巴紋の謂れは諸説一杯で定説はない。
しかし、古代より、世界各地にこの文様は見られ、一様に神秘性・霊的威力を各民族は感じ取ってきた。渦のうねりから湧きあがる強い力、生命力を感じ取れるものである。古来、動物と人はどんな繋がりを持って今日に存在するのか?人が生物を通じてどんな思いや願いを託したのか?というところから今回の創作がスタートした。蝦蟇図では中国の仙人が妖術を使う時に蝦蟇を用いたとされた。
蝦蟇の目は右が太陽、左が月を表している。これは宇宙誕生を意味するものである。口の中からは「渦」うねりを表現したものだ。妖術を使うということは私にとってそれは自己表現そのものにも思えたのである。生物を創作する時、私はいつもどこかで神格化させたいと思い続けていたのだ。昔から創作してきた作品と現在の創作とがようやく繋がりそして今、確認していることが支柱になって生物を通じてカタチになっていくことを・・・・。




■ PROFILE ■

櫻井智子| SAKURAI Tomoko


【 主な個展 】

2012年 「-OUTLAW-」(Note Gallery / 大阪)
2011年 「クエナイモノ」(neutron tokyo / 東京)
2010年 「不均等な呼吸」(neutron kyoto / 京都)
2009年 「わらべの目」(neutron tokyo / 東京)
     「まほろば動物園」(文椿ビルヂング / 京都)
2008年 「古くからの住人」(neutron kyoto / 京都)


【 主なグループ展 】

2013年 「東西当世数寄侍」(白白庵 / 東京)
     「匠と侍」(阪急うめだ百貨店本店アートステージ/ 大阪)
     「new year art exhibition in 枚方宿」(Note Gallery / 大阪)
2012年  「アートショップ」(西武渋谷店B館8階美術画廊 / 東京)
     現代茶ノ湯スタイル展「縁 - enishi - 」 (西武渋谷店B館8階美術画廊/東京)
     「うつくしきものミニアチュールの魅力」(JR大阪三越伊勢丹アート解放区 / 大阪)
     「神戸原田の森美術館 東京展」
2011年 「来るべき世界」(neutron tokyo / 東京)
     「サムホール展」(ギャラリー空 / 東京)
     「SM展」(GALLERY EDEL / 大阪)
     「animal展」(ギャラリー空 / 東京)
2010 年 「小山秀司氏コレクション」(麗門 / 大阪)
     「TAGBOAT Young Artisis Japan vol.3」( 東京)
     「SM展」(GALLERY EDEL / 大阪)
2008年 「フィリシモ社 Japan C in NY 掛け軸出品」


【 アートフェア 】

2011年 「KIAF 10th アートフェア」(coex / 韓国・ソウル)