中比良 真子 展「The world turns over」2012年1月6日(金) - 2012年1月18日(金)

 

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gallery near【開催中の展示】gallery near selection 2014年9月22日(月) - 9月30日(火)gallery near 【 取り扱い作品 】


Press release

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中比良 真子 展 「The world turns over」 courtesy of gallery neutron

2012年1月6日(金) - 2012年1月18日(水)
期間:2012年1月6日(金) - 2012年1月18日(水) *1月12日(木)は休廊
開廊時間:12:00-22:00(最終日は17時まで)
会場:cafe dining near 店内 「gallery " L "」


2012年1月6日(金)から1月18日(水)までの12日間、Cafe dining near店内 gallery “ L “にて、中比良真子展 「The world turns over」を開催いたします。

宮永愛子や三瀬夏之介といった全国区の作家を輩出し、常に日本の現代アート界に新風を吹き込む、京都を代表するギャラリー「neutron」。
その同ギャラリー取り扱い作家である「中比良真子」 による今回の個展は、「neutron」全面バックアップのもと、当ギャラリーにて開催する運びとなりました。

2008年に出展したアートフェア「ART OSAKA」で大絶賛され、以降、年を追うごとに着実にその評価を上げ、全国的に 注目を集めている中比良真子。
色とりどりの花が女性から生える「blooming」や、スケールの大きな鳥瞰図「bird eyes」といった数あるシリーズの中から、 本展は、水面に映る景色をテーマに描かれる「The world turns over」シリーズの展示となります。 同タイトルの個展は2008年neutronにて開催され、スタンダードな油彩技法ながら、そのあまりにも洗練された繊細かつ 美しい描写に加え、現実と虚像の反転という作家の心象を見事に表現し、見るものに鮮明な記憶を焼き付けました。

あれから約4年の月日が流れ、中比良が見る「現実」と「虚像」はどのように変化したのでしょうか?
本展は、小品を含む新作9点を描き下ろしています。自らの内面や自らが生み出す作品と対峙し続けてきた中比良の視線が、 また新たな現在の「現実」と「虚像」を映し出しており、中比良自身の作家としての成長、また、心象の変化を垣間見る事ができます。

約4年の歳月を経て新たに展開される、中比良真子展「The world turns over」。2012年のスタートを飾るにふさわしい本展をぜひ、ご高覧ください。

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The world turns over No,16
45.5×38cm Oil on canvas
2011制作

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The world turns over No,18
100×73cm Oil on canvas
2011 制作



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The world turns over No,19
61×73cm Oil on canvas
2011 制作

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The world turns over No,22
73×53cm Oil on canvas
2011 制作


■ ARTIST STATEMENT ■

今回の個展は、2008 年より描き始めたシリーズ「The world turns over」のおよそ四年ぶりの新作の展示の予定です。

「The world turns over」は水に映る景色と実在の景色を対照的に描くことで、見えていなかったもの・移りゆく姿を喚起させることがテーマになっています。

私たちを取り巻く世界はいつも平凡で移ろいやすく、ともすれば見失いがちなもので溢れていますが、ほんの少し視点を変えただけで、景色が鮮やかに輝く瞬間がある...それを伝えることがこの作品の役割でもありました。

しかしながら 2011年の3.11という大きな悲しい災害を経て、水がただ優しく美しい存在ではないということが私たちの脳裏に刻まれたことは事実です。それでもなお、私たちの生活は水と寄りそって生きて行くことを余儀なくされ、水の持つ優しさや美しさも変わることのない一面なのだと思います。

自然と生きて行くということは、ただ当たり前に側に在るのではなく、お互いに緊張感を持ちつつ共存して行くということ。これは何に対しても言えることかもしれません。

だからこそ美しい一瞬に出会える喜びが、この世界にはあるのだと信じています。


■PROFILE■

中比良 真子(なかひら まさこ)

1979 滋賀県出身
2002 京都精華大学造形学科洋画専攻卒業
2004 京都精華大学大学院芸術研究科造形専攻修了

【 主な個展 】

2003「WATERING」( ノマルエディション・プロジェクトスペース / 大阪 )
2004「blooming」(neutron kyoto / 京都 )
2006「bird eyes」(neutron kyoto / 京都 )
2008「The world turns over」(neutron kyoto / 京都 )
2009「here, there」(neutron tokyo / 東京 )
2010「Stars on the ground」(neutron kyoto / 京都 )
2011「Stars on the ground」(neutron tokyo / 東京 )
   「Sunny Water」(deem FIVE MANSION GALLERY / 神戸 )

【 主なグループ展 】

2001「群馬青年ビエンナーレ」( 群馬県立近代美術館 / 群馬 )
2002「現代美術インディペンデント CASO 展」( 海岸通ギャラリー CASO / 大阪 )
   「Mixture」( 海岸通ギャラリー CASO / 大阪 )
2003「京展」( 京都市美術館 / 京都 )
   「ART CAMP in CASO」( 海岸通ギャラリー CASO / 大阪 )
2004「京展」( 京都市美術館 / 京都 )
2005「京都市美術工芸新鋭選抜展」( 京都府文化博物館 / 京都 )
   「Art Court Frontier 2005 #3」( アートコートギャラリー / 大阪 )
2006「dream GIRLS」( 京都芸術センター / 京都 )
2008「ART OSAKA 2008」( 堂島ホテル / 大阪 )
   「ART CAMP 2008」( ギャラリーヤマグチ クンストバウ / 大阪 )
2009「星に願いを」ニュートロン東京 企画展 (neutron tokyo / 東京 )
   「It's a small world」ニュートロン京都 企画展 (neutron kyoto / 京都 )
   「KOMAZAWA MUSEUM × ART」( 駒沢公園ハウジングギャラリー / 東京 )
   「ART OSAKA 2009」( 堂島ホテル / 大阪 )
2010「富士山展」ニュートロン東京 企画展 (neutron tokyo / 東京 )
   「Home, Sweet Home」ニュートロン東京 企画展 (neutron tokyo / 東京 )
2011「OPEN FACTORY」(neutron kyoto "FACTORY" / 京都 )


中比良真子 展 「The world turns over」に寄せて



美術は時代の映し鏡であるとすれば、私達の生きるこの大変な状況は図らずも、現代の作家達による作品に意識的にも無意識的にも描写され、後世に残るものなのだろう。激動の 2011年から年が変わったが、 私達の住む世界を一変させた震災と放射能の影響を薄れたと感じる者は日本国内にはどこにも存在せず、 むしろじわじわと今までの世の中の根底が崩れ、新しい価値にその座を奪われる様を目撃することが日増しに増えている。それまで正しい、あるいは当然と思われていた世界の見方は今、通用しなくなっている。そして新たに浮上したそれらは、いつの時代まで受け継がれるのか、誰にも分からない。私達の住む世界はこうして劇的に変動の時期を迎えながらも、淡々と時を刻み、残酷に四季は移り変わる。

 中比良真子が描こうとするのは、そんな世界の片隅の些細な出来事である。しかしそこには作家だけでなく、誰かが気に留めるであろう何かが潜んでいる。時代の潮流や趨勢にとらわれず、自分の視点を変えずに世の中を見つめて描こうとしてきた中比良は、キャリア十年を迎えようとする近年特に評価の声が高まっている。デビュー当時は画風の洗練さと(当時モチーフにしていた)女性の描写に話題の焦点が当てられたのも事実だが、そこから次第に展開される数々のシリーズは、決してどれもが作家の意図の通りに注目されたとは言い難い。しかし多くの作品を生み出して来た今、そのどれもが必然的なものであり、重要なものであると誰もが認める事ができる。それは一重に作家の粘り強い観察と制作の繰り返しによるもの に他ならない。

 水に浸かる女性の姿を活写して注目された「Watering」と「Out of bounds」、女性の繊細な感情を草花に比喩して顔面や体に描き同居させた「blooming」で女性的な画風を見せたかと思えば、風景をデフォルメして鳥の視点から描いた「bird eyes」では一気に世界の広がりを捉えようと跳躍し、続く「The world turns over」(本展覧会に続くシリーズ:2008年からスタート)では水に映った景色と実際の光景を反転させ、夜の街に浮かぶ生活の灯りを描いた「Stars on the ground」では人物を一切描かずにこの世界の希望と温もりを描いてみせた。どれも写真を基に忠実に描く部分と、作家の意図によって削られ、デフォルメされる部分の対比が心地よく、中比良作品の特徴となっている。そして全ての シリーズを俯瞰して見えてくるのは、水、光、空、そして人の存在である。

 昨年、神戸の美容室ギャラリーで開催した個展のタイトルを、中比良はあえて「Sunny Water」とした。 「あえて」と書いたのには理由がある。放射能汚染によって「水」に対する安全意識が高まり緊張の最中 、中比良はそれでもこの世界の重要な構成要素であり、人間の体の70%を占める物質であり、地球を象徴 するものに希望を託そうと思ったのである。

 ここにお見せする「The world turns over」の最新作は、そんな作家の水に対する気持ちの表れたものばかりであり、これから先の未来へのメッセージでもある。どうかこの会場で、絵の中の水の音を聞いて、私達の住む世界に思いを馳せて頂きたい。



gallery neutron 代表 石橋圭吾